今日から、7回に渡り、
終わりにマルと思える生き方を実現するための大切な考え方である
「みんなに必要なスピリチュアルケア」について、お伝えしていきます。
(書き始める前の予定だから、変わるかもですが・・・)
小松さやかの学びと経験をもとにした解説と共に、みぃちゃんのエピソードも紹介する予定です。
うえのみさお(みぃちゃん)は、生まれながらの神経難病があり、医師からは「3歳までしか生きられない」と言われたそうです。
・・・が、なんと今年48歳。
周りの人からは「死ぬ死ぬ詐欺」と言われています(笑)
みぃちゃんのライフストーリーの中には、大切なメッセージがたくさんあります。
「スピリチュアルペイン」と「スピリチュアルケア」について、みぃちゃんのエピソードと共に解説したらわかりやすいのでは?と思いつき、本人の承諾も得てシェアしていきます。
スピリチュアルペインとは
では、早速、言葉の説明から始めていきましょう。
「スピリチュアルペイン」は、終末期医療に携わる方々とっては馴染みのある言葉ですが、
一般的にはまだまだ知らない方も多いと思います。
スピリチュアルペイン(精神的な苦痛)とは、
どんな痛みでしょうか?
痛みには大きく4つの分類があり、
① 体の痛み(痛み、だるさ、息苦しさ、日常動作のしにくさなど)
② 社会的な痛み(お金、仕事、家族関係など)
③ 心理的な痛み(不安、恐れ、イライラなど)
④ スピリチュアルな痛み(スピリチュアルペイン、生きる意味・目的、死への恐れなど)
なぜこうした苦しみを感じななくてはいけないのか。
なぜ、自分だけこんなに辛いのか。
自分の人生にはどんな意味があったのか。
これから、どう生きていけばいいのか。
そんな悩みが、スピリチュアルな痛みと捉えられています。
この痛みは、終末期にだけ感じるものでしょうか?
そうではないですよね。
私も、そして、これを読んでいるみなさんも、これまで感じたことがある痛みなのではないでしょうか?
スピリチュアルペインは、病気の有無、ターミナル期に関わらず全ての人に存在し得るもの。
私自身は、そう捉えています。
言葉を知るだけで楽になることがあります。
名前がなかった状態に名前がつく。
名前が付くことで自覚できるようになります。
「そっか、これってスピリチュアルペインかも知れない。」
そう捉えてみた時、どんな気持ちがするでしょうか?
スピリチュアルペインは、人間だから感じるもの
「誰も教えてくれなかったスピリチュアルケア」のP.111で、著者の岡本先生は、
スピリチュアリティは、スピリチュアルな経験を生み出す人間の能力
と定義されています。
このスピリチュアリティがあるからこそ、痛みを感じるのです。
人間には意識がある。
過去(生まれてきた意味)に意識を向けたり、
未来(死ぬ時のこと)に意識を向けることができます。
生きる意味を問う力があるからこそ、痛みも感じるのです。
痛みとは、個々の感じる力があるからこそなのです。
スピリチュアルな痛みとは、自分の人生を大切にしたいという欲求の現れ
そう捉えてみると、スピリチュアルな痛みを感じていること自体が◯
と思えてきますね。
みぃちゃんのエピソード①
今までいた場所と合わなくなった・・・その時感じていた痛みとは。
私がみぃちゃんと出逢ったのは、12年ほど前。
みぃちゃんはすでに地域で暮らしをしていて、さらに自立生活サポートのためのNPOを設立して10年近く経っている頃だった。
地域の中で自分らしく生きながら、障害を持つ他の人たちの自立生活をサポートする仕事をしていたみぃちゃんが、会うたびに涙するようになったのは、今から4年ほど前のこと。
すでにライフコーチとして仕事をしていた私は、コーチとして継続サポートをすることになった。
みぃちゃんは、私との出逢いをきっかけに(と本人は言ってくれている)
とても魅力的な生き方をする人たちと繋がるようになった。
彼女はその人たちのことを褒め言葉で、「変態」と呼んでいた(笑)
「夢」とか「無限の可能性」とかを言葉にするような人たち。
変態、危ない人たち(笑)
その人たちのイベントやセミナーにも出向くようになっていた。
周りの人には、危険なところに行く危ない人。
と思われていたかも知れない。
人は成長する。
特に人との出会いによって変わっていく。
NPOを設立した頃のみぃちゃんがいた世界とは、違う世界が広がり始めていた。
でも、それまで一緒に生きていた人たちが、一緒に同じタイミングで進むことはない。
自分が作った組織にいながら、みぃちゃんは孤独を感じるようになっていた。
自分の生き方が否定されているような。
制限されているような。
そんな感じ。
具体的に、人間関係では辛いことが起こり始めていた。
人は、そんな時、
「自分が悪いのだ」
と捉える。
もしくは逆に、
「あの人たちが悪いのだ」
と捉えることによって、なんとか目の前の問題から逃れようとする。
時には、せっかく変化した自分を元の枠の中に戻そうとしてしまう。
どんなに頭で考えても、魂というのは正直だ。
話していると涙が溢れてくる。
魂の苦しみは涙となって表出する。
みぃちゃんがあの時感じていたのは、
「自分が大切にしたい生き方(前向きな人と出会い世界を広げること。可能性を信じて行動すること。)を肯定してもらえないという痛み」
そして、
「自分の生き方を自分が信じきれないという痛み」
みぃちゃんが、あの時感じていた痛みこそスピリチュアルペインだったのだ。
今、私たちはそんな風に振り返っている。
あの時、その痛みを無かったことにせずに、
痛みを感じながら、涙を流しながら、
自分との対話を続けたからこそ、
そこから大きく世界が広がったんだね。
あなたの悩みを「痛み」と捉えてみることから始めてみませんか?
これを読んでいるあなたにも、もしかしたらあるかも知れない。
みぃちゃんのような悩みという痛みが。
起こっている問題そのものではなく、
自分の内側にある痛みに、もっと意識を向けてみませんか?
本当は泣きそうなほど辛いのに、平気なふりをしていることはないですか?
自分さえ我慢すればいいと、抑えていることはないですか?
自分を大切にする生き方は、痛みを認めることから始まります。
スピリチュアルペインって特別なことではありません。
生きていたら誰でも感じ得る痛みなのです。
そして、スピリチュアルケアは、今を生きるすべての人に必要なケアの考え方なのです。
1回目は、「スピリチュアルペインとは何か?」について考えてみました。
2回目は、こちらから
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